工芸と暮らす
当店スタッフによる工芸品体験記
突然ですが、あなたは生活の中に「敷物」を活用していますか? 一人分のお食事をお膳やトレーに乗せていただく。 花瓶の下にコースターのようなものを敷いてみる。「敷く」ということをするだけで、 たちまち普段の食事の雰囲気が変わったり、 インテリアコーディネートのアクセントになったり、 暮らしの中に変化をもたらしてくれます。
そんな「敷物」を使った毎日のご提案をさせていただきます。
配膳をしたり、片付けに使ったりと実用的なイメージがあるトレーですが、 お食事のシーンで、より美味しそうに・よりおしゃれに見せる コーディネートの一つとして、トレーを使ってみてはいかがでしょうか。
方法は簡単、料理の入った器をトレーに置くだけ。 机にそのまま並べるよりも、なんだか上質な雰囲気がしませんか?
私はお昼休みに気分を上げたい時、お気に入りの器に料理(コンビニのおかず)を盛ったら、それをこのトレーに並べてお食事をしたりしています。
ほんのそれだけで、少し心に余裕が出たり、良い気分でお食事ができたりするので不思議ですね。
この山中漆器のトレーはタモ材の木目と色を生かし、ほぼ木そのままの色で表現する白木塗りの技法を使っており、とてもカジュアルで気軽に使えます。
山中漆器の会席膳は、和食も、洋食も、どちらにも使える上質な「敷物」です。
ちょっと高級な洋食屋さんに入って席に着けば「ランチョンマット」の上に食器やナフキンが綺麗に並べてあったりしますよね。敷物をうまく使うことで、高級感のある雰囲気を演出している場面はよく見かけるかと思います。
同じ料理でも、何に乗って運ばれてくるかどんなコーディネートでいただくかで、お食事の楽しさが何倍も違うような気がします。
この会席膳でお料理をいただくと、それだけで背筋が伸びるような気持ちになり、お食事の味もより繊細に感じられそうです。
技法は「溜塗」という深みのある漆の艶を出す技法を使っていて、木目がうっすらと見えながら、きちんと感のある上品な色遣いです。
ちなみに「お膳」は「お一人分の料理を載せる台」という意味で、日本のお膳といえば一般的には、脚がついていて一人分の食事が乗る、温泉旅館の宴会場で出てくるようなものを指します。
畳の上で食事をしていた時代は、脚つきのものが必須でしたが、座卓やテーブルを囲む現代の食卓には、この「会席膳」のように「敷いて」使うタイプのお膳がよく使われます。
こんな風に、お酒とおつまみをセットしてみても良いですね。縁に突起のない平らですっきりした形なので、置くものを選びません。
あなたの生活に「会席膳」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
同じ溜塗の技法を使った小さめで円形の手塩盆もあります。サイズ感が可愛らしく、お菓子やお茶を載せたりするとちょうど良いですよ。
お寿司を置くのにぴったりな低い脚のついた「板膳」もご用意しています。 お寿司に限らず、おつまみや和菓子を並べてみたり、いろいろと使い道を考えるのも楽しそうです。
酒器を置いてみても様になりますね。
富山県 高岡銅器の能作のKAGOシリーズはとても柔らかい錫という素材を使っており、力を加えて変形させることができます。
バスケットとして使えたり、オブジェのようにもできますが、お写真のように「敷く」という使い方をしてみてもとても面白いものです。自由な発想でコーディネートを楽しんでみましょう。
サラダを盛ったお皿の下に敷いてみました。
九谷焼の繊細な白い生地を生かした小皿は、モダンなデザインゆえにいろんなものを乗せて使えます。
錫の素材に施された模様を楽しむ「すずまる」。お皿に使おうか、コースターに使おうか、その日の気分で決めるのも良いですね。
お皿なのに、敷物としても存在感を発揮するお品たちは、お家に遊びに来た友達にさりげなく自慢したくなります。
食卓のコーディネートを豊かなものにする「敷物」。
きっとお食事の時間・ティータイムを今より素敵なものにしてくれます。
あなたの暮らしにもさり気なく、「敷物」取り入れてみませんか?